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# 海と共に作ってきた
文化にはいろいろなものがあるけど、海も人間にとって深い関わりがある文化のひとつよ。たとえば、海の食文化。刺身や寿司などの魚料理は日本人にとって欠かせないものよね。それから、たくさんある漁業の方法も海の文化といえる。実はたくさんの漁法によってスーパーにお魚が並んでいるの。その中には、海に潜る女性たち“海女”の文化もあるわ。海と人の交わりが今の時代に守り伝えられてきたものについて知ることは、これから海と人がどのように生きていくかのヒントになると思うのよね。
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食文化
日本人を対象にしたアンケートによると、9割の人が「海は日本人の食とって大切な存在だ」と答えたらしいの。でも、今晩はお魚をどうやって調理しようかな~とか、美味しいお寿司やさんとかは調べると思うんだけど、そのお魚がどんな道具でどうやって獲られたのか、どうやって市場で売られているのかとか、そういうことはあまり関心が寄せられないのよね。
でもこれはお魚だけじゃないわね。お肉だって、どうやって動物たちがお肉として販売されているのかってことにはあまり関心が寄せられないものだわ。人類は歴史的にもずっと海の幸を食料にして生きているんだから、その食文化について知っておくことは、とても大切じゃないかしら?
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漁法
あなたは何のお魚を食べるのが好き? そのお魚がどうやって獲られたか知っている? 漁業といっても、その方法はたくさんあるのよ。たとえば、海底に袋状の網を下ろしてカレイ、ヒラメなどの魚やエビ、カニ、貝類を獲る「底びき網漁」。一度にたくさんの魚を獲ることができるけど、その分目的としていない生き物をとってしまったり海底を傷つけてしまうというデメリットがあるの。
それから、漁船の上から針と糸を使って魚を狙う「一本釣り」。ブリ、アジ、サバ、カツオ、マグロなどはこの方法よ。網の漁に比べると魚を傷つけることが少ないの。あとは、夜の海に眩しい光がポツポツあるのを見たことがあるかしら? あれは「イカ釣り漁法」。イカは光に集まる習性があるから、それを狙っているのね。このほかにもたくさんの方法があるのよ。魚を食べるなら、漁法についても知っておくほうがいいわよ!
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海女文化
漁師や船長とか、海に関する職業ってなんだか男性が多いイメージかしら? でも、もちろん女性だって大活躍しているのよ。その活躍している女性たちは、「海女(あま)」と呼ぶの。海に潜って貝や海藻などを採る職業よ。海に浮かんでいるブイの流れを見て潮の流れを読み取って潜るかっこいい人たちなんだから。あの『万葉集』にも、大伴家持や山上億良が海女漁の様子を歌に詠んでいるくらいだから、昔から海女がいたのね。
今もこの海女文化が強く根付いているのは三重県の鳥羽市や志摩市だけど、後継者の不足によって年々その数が減少していっているの。大昔から受け継がれてきた海女文化が途絶えてしまうだなんて、そんな状況は見たくないわ。みんなの力でなんとかしてちょうだい!
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文化財
海はこれまでの人間の歩みといつも共にあったから、歴史のことはよくわかってる。でも人間は生まれては死んでいく生き物だから、これまでにどんな歴史があったかは先代の人々が残していったものを頼りに研究していくしかない。そこで、重要なものは文化財として大切に保護されているのよ。
海に関する文化財には、水中文化財や海で運ばれてきた遺物、湾岸都市の景観、それから造船技術や航海術などの無形文化遺産まで、たくさんのものが含まれているの。これからも海の文化財を守っていかないと、文化を伝える情報が途絶えてしまうから、これはとっても大事なことだよね。
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参考文献
日本財団 海と日本PROJECTー海のごちそうプロジェクト
日本財団 海と日本PROJECTー海と食に関する意識調査結果
https://uminohi.jp/research/survey5.html
WWFジャパンー【お魚ガイド関連情報】巻き網漁法や刺し網漁法など…さまざまな漁法の解説
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2140.html
三重県ー海女習俗
https://www.pref.mie.lg.jp/common/04/000063473.htm
文化遺産国際協力コンソーシアムーシンポジウム(ウェビナー)「海と文化遺産ー海が繋ぐヒトとモノー」を開催しました
https://www.jcic-heritage.jp/news/20211209symposiumreport-jp