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# ルール作り
海は誰のものかな? 長い間、海は誰の所有物でもないという考えのもと世界は回ってきたんだ。でも、中世になってヨーロッパの国々が権利を主張し始め、1900年代からどんどんルールが作られていったよ。
中でも、約500の条約から構成された国連海洋法条約という国際条約があるんだけど、各国の海域分類や権利義務関係などを細かく規定してるんだ。1982年に採択されたこの条約は、採択に10年、発行するまでに12年もかかったんだ。
ドイツ・ハンブルクの国際海洋法裁判所はこの条約のもと、海洋で起きた国家間の問題を扱っているよ。
また、2023年の3月4日には海をめぐる新たなルールの案が出され、各国が同意したよ。その案というのは「公海条約」といって、「海の自然の保全と回復を目的に、2030年までに海の30%を保護区に指定する」というルールなんだ。でもまだ草案という正式な条約ではないんだ。正式なものになるには、たくさんやることがあって、その度に色んな人から許可を得ないとルールにはならないんだ。ルールって大変だよね。
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1-漁獲量
今、世界中で魚の消費量が増えているよね。とりわけサーモンやマグロはどんどん人気になっているよ。植物由来の代替食品なんかが出てくるくらいなんだ。
漁業が盛んな日本では、様々な方法で海の資源を管理しているんだ。主に3つのルールを地域や資源によって組み合わせながら、漁獲量を管理しているよ。
①船の数や規模、漁をする日の制限(投入量規制)
②船の設備や道具を規制 (技術的規制)
③どのくらい魚を獲っても良いか量を設定(漁獲可能量)
例えば、秋田県名産のハタハタは昔めちゃくちゃいたんだけど、一時期すごく数が減ったんだ。でも、地域の漁業者が協力しあって3年間全面禁漁を行ったり、「ハタハタ資源管理協定」というルールを決めたり、産卵場保護区域をもうけたりしたんだ。そのほかに産卵藻場を作ったり稚魚を放ったりして漁獲量が増えたんだよ。2004年には禁漁前の約46倍も漁獲量を回復をしたんだ。
いろんな視点から資源を調べて、どうすればいいか行政の人たちが考えた後、目標を設定するよ。そして、漁業の人から話を聞きながらデータを収集して、何回も考えるのを繰り返してるんだって。
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2-200海里
1977年に結ばれた国際的な約束で、ある国の岸から200海里(約370km)以内では、外国船は勝手に漁をしてはいけないことになったんだよ。日本は1996年に、この条約の締約国となった。それによってそれまで世界中で遠洋漁業をしていた日本の漁業のあり方が大きく変わってしまったんだね。
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3-海洋政策
社会には、さまざまなルールがあるね。
学校のルールのことは「校則」と呼ぶことが多いよね。社会や、国全体に関わる計画やルールのことは「政策」という。その「政策」を実行に移すために、「法律」が作られているよ。
それらどうやって決められていくんだろう?
「政策」や「法律」と聞くと、普段あまり身近にいない、どこか遠くの人々が作ってるものだと思う人もいるかもしれない。
私たちが暮らす社会の大きな枠組みになっているので、みんなの意見を集めて決める必要があるよね。
海に関わるルールのことは「海洋政策(かいようせいさく)」と呼ぶ。「海洋政策」を専門的に学んで、海の環境を守るために活動する人たちもたくさんいるんだ。
地球に海はひとつ。世界中の人々がこれからも海を上手に活用するためには、どんなルールが必要になるのかな?考えてみよう。