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# 海と命のつながり
海の中で繰り広げられている食物連鎖を知っているかい?
植物プランクトンが動物プランクトンに食べられ、
動物プランクトンは小型の魚に食べられ、
小型の魚は中型の魚に食べられ、
中型の魚は大型の魚に食べられるんだ。
例えばだけど、珪藻という小さな植物プランクトンが、珪藻よりちょっと大きな動物プランクトンであるカイアシに食べられ、カイアシがアジという小魚に食べられ、アジがマグロに食べられ、マグロがシャチに食べられる。
どの生物の糞や死骸も腐敗して、バクテリアに分解され、海の栄養分になってるよ。この栄養分と日光によって植物プランクトンが育ち、食物連鎖がどんどん続いているんだ。
ちなみにシャチとか他の生物に食べられる恐れがない、食物連鎖の頂点にいる生き物は数が少ないよ。なぜなら大きくなればなるほど、排泄物や熱でエネルギーを使うからなんだ。
生物は生きるために自分の体重の10倍食べる必要があると言われていて、食物連鎖ピラミッドの上に行けば行くほど、必要なエネルギー量が増えていくよ。
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エコシステム
人間の君たちは、博物館なんかでクジラの剥製や骨を見たことはあるかな? あんなに大きな生物が死んだら、どうなるのか気になるよね。
クジラの死骸は海底に沈んだ後、さまざまな生物が集まって「鯨骨生物群集」という生態系を作り上げるんだ。数ヶ月から数年かけてヌタウナギやコンゴウアナゴ、サメがクジラの肉を食べていくよ。骨が見えてきたら、骨に含まれる成分を食べるホネクイハナムシが集まってくるよ。このホネクイハナムシは鯨の骨でしかみられない生物なんだ。面白いね。
骨が分解され始めると、イガイ類やシオウリガイという二枚貝が骨に付着していくんだ。なんだか、パーティーみたいだね。食べ放題だから、たくさんの生物が集まってくるよ。
なんと、こうやって集まってくる生物の中から数多くの新種が発見されているよ。集まってくる生き物を観察してみると、熱水噴出孔という遠く離れた場所にいる生き物が含まれてるんだ。どうやってここまで来ているのか謎で、人間たちの間では話題らしいよ。
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参考文献
海の中の生き物のつながり
https://www.skr.mlit.go.jp/yongi/duties/quality/mizupatrol/kiso/rensa/rensa.html
海の生態系
https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/shizen/shizen_4.html
大西洋で世界最深の鯨骨生物群集を発見!
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/quest/20160224/
改訂新版 海洋大図鑑
DK社編 まるごとわかる!海の科学大図鑑
Newton VISUAL BOOK OF THE OCEAN 海 大図鑑