コラム
2024.02.20
海と関わるときに大事なことー海洋リテラシーの目的【vol.2】
海と共に暮らしていくためにも、海を「知る」ことは大事。海を知るための国際的な動きとして、ユネスコが提唱した海洋リテラシーの内容を見てみましょう。その上で、あなたはどんなことを感じますか?
前回の記事では、「知る」と一言で言っても、科学的な知識を知ることもあれば、海と感情のつながりを知るということもあったり、いろいろな「知る」があることを確認しました。この記事では国際的に提唱されている海を「知る」についてみていきましょう。
国連専門機関の1つである「ユネスコ」って聞いたことはありますか?
ユネスコは、教育・科学・文化の面で国際協力を進めながら、世界の平和を実現していく機関です。そのユネスコに専門家がたくさん集まって話し合いを行い、2017年に「海洋リテラシー(Ocean Literacy)」が作られました。海洋リテラシーは、世界中の人たちの海洋に関する意識を高めたり、海洋に対して正しい行動ができるようにすることを目指して作られたものです。
その前に、「リテラシー」とは?
リテラシーとは、ある特定分野に関する知識を理解して、活用する能力のこと。つまり、「海洋リテラシー」は、海についての知識をもって、正しく行動が取れる能力のことです。もう少し詳しくみていきましょう。
海洋リテラシーは、「海が私たちに与える影響と、私たちが海に与える影響を理解すること」と定義されています。この定義のもとに、7つの基本概念があるから、その内容がどのようなものなのか見ていきましょう。
1. 地球には、多様な特徴を備えた巨大な一つの海洋がある
2. 海洋と海洋生物が地球の特徴を形成する
3. 海洋は気象と気候に大きな影響を与える
4. 海洋が地球を生命生存可能な惑星にしている
5. 海洋が豊かな生物多様性と生態系を支えている
6. 海洋と人間は密接に結びついている
7. 海洋の大部分は未知である
この7つは、抽象的で大きなカテゴリーというイメージ。これらをさらに詳しく説明しているものとして、45の基本概念と呼ばれるものもあります。
だけど、海洋に関する知識=海洋リテラシーというわけでもないんです。上に挙げたようなことを理解しているのに加えて、他の人たちと意見交換をしたり、責任ある行動ができるところまでが大切になってきます。
どうですか?なんとなく意味がわかったような、わからないような感じでしょうか?オポポにはそれぞれの項目についての情報が載っているから、ゆっくりじっくりみてみてくださいね。
そして今、世界各国ではこの海洋リテラシーをベースに、その国ならではのリテラシーを作っている動きが広がっています。
日本でも、日本の周りにある海の特徴を踏まえた海洋リテラシーを作る動きもあります。ぜひ調べてみてほしいです。
さて、改めて海を「知る」ということについて。海と関わるとき、この7つのことについて理解しておくことはとても大事なことだと思います。
でも、この7つのことだけで海のことを知ることはできないと思うんです。みんなは、海と友達になるためには何が必要だと思いますか?オポポを通して考えてみましょう。
メイン画像:Mie, Tsuzumigaura Beach, METI, CC BY 4.0 International
参考文献
UNESCO:https://www.unesco.org/en
海洋リテラシーについて(UNESCO):
https://oceanliteracy.unesco.org/?post-types=all&sort=popular
『海洋リテラシーの理念 日本からの発信』販売ページ:http://www.ichigeisha.co.jp/database/profile.cgi?tpl=shoseki&_v=1649054244