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モデル授業案

2024.01.18

「古代の知」から探る、自然との共生の知

  • #伝え繋いできた海

  • #海での出来事

  • #海と共に作ってきた

海をはじめとした自然環境と、人間はどのように関わっていくべきなのか。縄文時代を生きていた人々の生活にはそのヒントが隠されているかもしれません。自然との共生の知を探っていくことで社会にできること・自分にできることを探究する授業を目指しています。

<本プログラムについて>

中学1〜3年生 / 総合的な学習の時間、道徳 / 計3コマ

 

【自然と共生するためには】

総合的な学習の授業を1コマ、道徳の授業を2コマとし、計3時間のプログラムです。海は地表の70%以上を占め、私たちが生きるために必要な酸素や、気候を調整する役割を担っています。人間だけでなく、海は地球上の生命に必要不可欠な存在です。しかし、2050年の海には魚よりもゴミが多くなるという予測がされているなど、人間活動によって海の恵を持続的に活用することが難しくなっている現状にあります。海をはじめとした自然環境と、人間はどのように関わるべきかについて考えることがこのプログラムの目的です。

総合的な学習の時間では、「古代の知を探る」と題し、どうすれば自然とうまい付き合いをしながら活用することができるかのヒントを得るため、気候変動の中でも自然と向き合いながら1万年以上もの時代を生き抜いた縄文人の生活にフォーカスします。道徳の時間では、「自然との共生の知を探る」と題し、縄文人がどのように自然と共生していたのかについてより深く想像を膨らませ探ります。その中から得たヒントが、現代の私たちにどのように結びつけることができるかについてディスカッションを行います。古代の知、自然との共生の知を探った上で、児童・生徒ひとりひとりが「どのように自然と向き合い活用するべきか」についての考えを持ち、自ら探究し続けていくことを目標としています。

 

概要

■学年:中学校1年, 2年, 3年

■関連:

総合的な学習の時間

「探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための素質・能力を育成する」に対応するプログラムである。

 

関連:道徳

学習指導要領の「D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」のうち、「20自然の崇高さを知り、自然環境を大切にすることの意義を確認し、進んで自然の愛護に努めること」に対応するプログラムである

 

■目標

<知識及び技能>

縄文人の当時の生活について情報収集し理解する

 

<思考力,判断力,表現力>

縄文人がどのように自然と共生していたのかについて収集した情報から深く想像を膨らませる

 

<学びに向かう力,人間性>

どのように自然と向き合い活用すべきか自ら探究しつづけようとする

 

指導内容

1.古代の知、自然との共生の知を探るー道徳

ねらい:縄文人の目線に立ちながら彼らがどのように自然と共生していたのか考え、ヒントを得る

 

【導入】

○縄文時代はどれくらい長く続いたか知ってる?

ー約1万年以上

どのような暮らしをして、海や自然とどのように向き合ってきたのか考えてみよう

 

【展開】

○話し合ってみよう(歴史の教科書などを参考にしながら)

・縄文時代ほど長く続いた時代はないと言われている。今と比べると不便な生活なのになぜ?

ー縄文人の間に対立や孤立はなかったと考えられている、身分制度もなくみんな平等だった

ー氷河期が終わり温暖な気候になったから

ー自然の恵みだけで生活を維持していた

 

・当時の生活を想像しながら:縄文人はどのように海や自然と共生していたのだろう?

ー必要最低限のもののみを活用していた

ー食べた動物の骨や角など余すところなく活用していた(アクセサリーなど)

ー自給自足なので自分でできる範囲の自然の活用を行っていた

 

○書いてみよう

・現代の私たちが真似できること、できなそうなことに分けてみよう(○×△)

その理由やコメントも書こう(真似できないことは現代風に転換できるか考えよう)

ー必要最低限なもののみを活用 ○(必要な量などを予想しその分だけ資源をいただく)

ー動物の骨や角なども活用 △(現代ではどのような活用ができるのだろう?)

ー自給持続の生活 △(自給自足は理想だけど技術はどうやって身につけよう)

 

【終末】

縄文時代の人々はきっと海や自然とうまく付き合いながら長い時間をかけて文化を継承してきたのかもしれないね。どのように海や自然を活用していたのか次回はもっと詳しく調べてみよう。

 

2. 古代の知、自然との共生の知を探るー総合的な学習の時間

ねらい:縄文時代の人々が自然とどのように関わってきたのかについて調べ、縄文人について新しい発見を得る

 

【導入】

問題提起する

縄文時代にも地球の大きな変化や災害はあった?

ー氷河期から温暖化への変化

ー地震などの自然現象はあったはず

縄文人はどのように自然と関わってきたのだろう?

 

【展開】

○調べてみよう

「縄文×海」「縄文×山」「縄文×文化」のグループに分かれて縄文人の生活を探ろう

 

*「縄文×海」

ー魚や貝などを獲っていた

ー丸木船に乗って遠い場所にある特産物を手に入れ、アクセサリーやナイフなどを作った

ーアクセサリー、土偶、土器等は人々の安全や、海や山の豊かなめぐみ 、安産などを願う、いのりやマツリの道具として使われていたのではないかと考えられている

 

*「縄文×山」

ー木の実・山菜・きのこなどの植物、シカやイノシシなどの動物、

ーストーンサークルと呼ばれる里山

ー土器と弓矢、弓矢の先にはそれぞれの目的に合わせた石器がついていた

ー動物の骨で釣り針を作ったり、身近なものを上手に使っていた

 

*「縄文×文化」

ー土をこねて火熱による化学変化を行い強度な容器を作り、「煮る」「貯蔵」が可能に

ー人々はそれまでの文化と違って定住するようになったので「ムラ」を作った

ー竪穴住居、広場、お墓、貝塚なども見つかっている

ー平均身長は男性約157センチメートル、女性は男性より約10センチメートル程小柄

ー筋肉質の体をしていた

 

○縄文人と自然との関わり 調べたことをまとめよう

ー自然の恵を大切にする自給自足の生活

ー縄文人は自然を過剰に搾取していなかった

ー意識的にそうしていたのか?もしかしたら過剰にとれるほどの資源がなかったのかもしれない

ーしかし自然と上手に付き合っていたことには変わりない

 

【終末】

○書いてみよう

自然と上手に付き合うとはどのような状態を指すのだろう?

 

3. 古代の知、自然との共生の知を探るー道徳

ねらい:「どのように自然と向き合い活用するべきか」についての自らの考えを持つ

 

【導入】

○今日1日自分が“消費したもの”を書き出してみよう

ーティッシュ、トイレットペーパー、水、ゴミ袋

○消費したもののうち、“自然”を少しでも活用しているものに印をつけてみよう

 

【展開】

○問題提起する

大量生産、大量消費の経済システムは、売れ残りの破棄や二酸化炭素の排出など、環境への負担が大きい

 

・ファッションでの一例を見てみよう

洋服を1着につきペットボトル○○本製造するのと同等の二酸化炭素を排出する

→正解は250本。約25kgの二酸化炭素を排出し浴槽約11杯分にあたる2300ℓの水が必要

 

○話し合ってみよう

・どうして私たちは色々なものを過度に使いすぎてしまうのだろう?(個人・社会的にも)

ー便利さに慣れているから

ー国同士で競争するようになったから、争うようになったから

ー色々な会社がたくさんお金を稼ぐため

ー流行が変化すると買うものも変わってくるから

 

・海や自然とうまく付き合っていくためにどのように変化していくことが大切だろう?

社会にできること・自分にできることについて考えてみよう

ー大量生産・大量消費をしない

ー使うものは余すことなく活用する生産を行う

ー需要がどれくらいあるのかをきちんと調査してから生産する

ー無駄なもの、まだ使えるものがあるのに新しいものは買わない

ー使ったものでリサイクルできるものや再利用できるものがないか確認する

 

【終末】

○今後“海や自然との上手な付き合い方”について考え続けていくためにはどうしたらいい?

オポポタグどの海を知る?

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