インタビュー
2024.03.01
オポポフレンズvol.3―佐々木蒼大くんと「鯛の鯛図鑑」
海や海にまつわるものが大好きなオポポのともだち"オポポフレンズ"へのインタビュー企画。サーフィンが大好き、釣りが大好き、魚が大好き、ただ海を眺めるのが大好き。いろいろな"オポポフレンズ"の好きや楽しいが、みんなの海への入り口になるかも!?今回は魚が大好きな佐々木蒼大くんに話を聞きました。
佐々木 蒼大ーささき そうた
佐々木蒼大くんは、神奈川県出身の中学1年生(2023年度現在)。小さい頃に魚に興味を抱き、小学5年生から、自分で魚を食べて集めた「鯛の鯛図鑑」を制作しています。日本さかな検定準1級合格。2022年日本財団「海と日本プロジェクト」のひとつとして開催された「全国子ども熱源サミット」に選ばれ、魚を食べる楽しさとおいしさについて発表を行いました。現在は魚好きの中学生として、さまざまなメディアにも出演しています。
蒼大くんのインスタグラムはこちら
古本屋さんで買ってもらった図鑑を見て魚に興味を抱く
蒼大くんの海への入り口は”カイコウオオソコエビ”
元々は電車などの乗り物が大好きだった蒼大くん。あることをきっかけに、魚の魅力にのめり込むことになりました。
「僕が2歳の時、お母さんが古本屋さんで図鑑を買ってくれました。その図鑑の中には海の生き物のページがあって、そこから海や魚に興味を持ちはじめました。2歳だったからあまり覚えてはいないけど、”カイコウオオソコエビ”っていう名前の響きが好きだったみたいです。」
これまでに読んできた魚の本は、100冊以上あるそう。古い図鑑だと昭和30年発行のものもあり、年代によって魚の分類が変化していくのを見るのもおもしろいところなんだとか。背表紙がボロボロになるまで読み込んだものもあると教えてくれました。読み込んでいるうちにどんどん知識が増えていき、日本さかな検定にチャレンジすることになりました。
「検定の内容は、魚食に関する問題が多いです。たとえば、この料理はどこの地方のもので、魚はなんという名前でしょう、という問題もあります。地方によって違う漁の方法とか、獲れ高についてもバッチリ勉強しました。今は準1級を持っています。」
準1級は、100問中70問以上正解しないと合格できない狭き門なのです!
魚に惹かれる理由
「見た目がおもしろいって言うのももちろんあります。でも食べてもおいしいし、栄養も多いところが好きです。食べている時は、ここがちょっと筋肉質なのはこの部分を使ってるのかな、と考えたりするのが楽しいです。」
魚を綺麗に食べて"鯛の鯛”を図鑑に!
魚の中にある魚のような形の骨「鯛の鯛」を収集
魚の図鑑をながめるだけにとどまらず、自分でオリジナルの図鑑を作ることに。その名も「鯛の鯛図鑑」。
「鯛の鯛」とは、胸びれを支える骨のこと。この骨は鯛だけでなく、イワシやアジなど骨の硬い魚にもよくあるもの。どうしてそれを集めることになったのでしょうか?
「僕のおばあちゃんの家には、縁起がいいという理由から金目鯛の鯛の鯛がかざってあって気になっていました。そしてある時、さかなクンがトークショーの中で「鯛の鯛はどんな魚にもあるんですよ」と言っていて、さらに興味を持ちました。あとは、いろいろな魚を食べたかったっていうのもあります。(笑)」
実は、「鯛の鯛」は江戸時代に「鯛中鯛(たいちゅうのたい)」と呼ばれて、めでたい鯛の中にある鯛ということで、お守りとして大切にされていたのだとか。ちなみに、真鯛だけでなく硬骨魚すべてにある骨も「鯛の鯛」と呼ぶそう。
「小学校5年生の自由研究で図鑑を作りはじめ、今のところ1〜5巻まで、175種類くらいを集めました。魚を食べて、箸やつまようじで鯛の鯛を見つけて取り出します。魚の種類によってそれぞれ形が違うんですよ。たとえば金目鯛は、胸びれをよく使う魚なので、骨も大きくなります。僕が持っている中でいちばん小さいのはサガミハダカという魚で、大体6ミリぐらい。いちばん大きいマグロのマグロは17センチくらいです。」
いちばん好きな魚の食べ方
魚を食べるのが大好きだからこそ、さばいて観察することも楽しい。マイ包丁を使って、お父さんの誕生日にアジをさばいて刺身としてプレゼントしたこともあるそう。
「魚をさばく時は、歯の形に注目したり、トゲに注意してやっています。どの魚も食べるのが大好きです!僕が今まで食べた中でいちばん美味しかったのは、アコウダイのうしお煮。料理屋さんで、シンプルに塩味で味付けされたものを食べた時、出汁が出ていて本当に美味しかったです。」
海と関わる人たちとのつながり
知り合いの魚屋さんや同年代の仲間から学ぶこと
仲のいい魚屋さんが貴重な魚を仕入れたときには連絡が来て、魚の頭を受け取りに行くことも。
「小田原に、昔からお世話になっている魚屋さんがいます。昔、そこで魚屋さん体験をした時に、鮮度の見方とか、あまり知らなかったおいしい魚の情報とか、そういうのを教えてもらったことがとても勉強になりました。」
同年代の海好きな仲間とのつながりも。2022年に参加した「全国子ども熱源サミット」では、海好きの仲間がたくさんできました。
「海ごみについての活動を行っている子や、日本海の近くに住んでいる子もいて、僕とはちょっと違うジャンルや場所の海の話は、色々と勉強になりました。そこで知り合った静岡の友達とそれぞれの家に泊まりに行って、海に遊びに行ったりもしましたね。」
海があってこそ成り立つ私たちの生活
みんなに伝えたいこと
「最近、日本では魚を食べる量が減ってきていて魚離れが進んでいるそうです。なかなか魚を食べない人たちにも、魚には多くの栄養があるし、鯛の鯛のように注目するとおもしろい骨があることを伝えたい。とにかく、みんな魚をたくさん食べて楽しんでほしいですね。」
蒼大くんにとっての海
「海は、なくてはならない大切な場所です。自分の食生活や、海でのレジャー体験を通してそう感じました。やっぱり海があってこそ、人間の生活は成り立ってるって言ってもいいくらいですよね。いつかはダイビングのライセンスを取って、たくさんの魚を近くで見たいです。」
写真提供:佐々木蒼大くん