インタビュー
2024.03.01
オポポフレンズ vol.2ー井田かれんさん「海のためにできること」
海や海にまつわるものが大好きなオポポのともだち"オポポフレンズ"へのインタビュー企画。サーフィンが大好き、釣りが大好き、魚が大好き、ただ海を眺めるのが大好き。いろいろな"オポポフレンズ"の好きや楽しいが、みんなの海への入り口になるかも!?今回は海を守る活動を行っている井田かれんさんに話を聞きました。
井田 かれんーいだ かれん
井田かれんさんは、東京都出身の中学1年生(2023年度現在)。小さい頃からシュノーケリング、サーフィン、ダイビングなど、いろいろなマリンスポーツを楽しんできました。2022年「海と日本プロジェクト」のひとつとして開催された「全国子ども熱源サミット」に選ばれ、ウニの発生研究やサンゴを守る活動について発表を行いました。2023年にはダイビングのライセンスを取得。海を楽しむだけでなく、海を守るための活動も続けています。
お父さんの姿を見て興味を持ち始めたサーフィン
かれんさんの海への入り口
「4歳の時、はじめてグアムの海でシュノーケリングをしました。かわいい魚や貝殻にたくさん出会えたことを覚えています。海の世界はとてもきれいですぐトリコになってしまいました。当時は幼かったから、ディズニープリンセスのアリエルになれたみたいで嬉しかったです!」
サーフィンの楽しさ
かれんさんは、家族で毎年のようにグアムや沖縄の美しい海と触れてきました。いつもサーフィンをするお父さんの姿を見ているうちに、だんだんと”自分もやってみたい”という気持ちに。今ではプロサーファーの五十嵐カノア選手に憧れを抱くほど、大のサーフィン好きになりました。
「朝5時半ぐらいに起きて、千葉県の九十九里に行きます。波に乗る瞬間のことを”テイクオフ”と呼びますが、どうやったらうまくテイクオフできるかを考えています。浜辺から見る波は小さく見えても、海から見る波はもっと大きく見えることもあるんです。強い波に当たると、自分の方向がわからなくなることもあるけど、それも含めて楽しいですね。いつかは五十嵐選手のように、アメリカのハンティントンビーチに行ってサーフィンをしてみたいです。」
同じ場所に何度行っても、日によって違う姿を見せる海。泳いでいる魚や波の色も少しずつ違っていて、行く度に新たな発見や出会いがあると教えてくれました。かれんさんの海への好奇心は、どんどん高まっています。
ウニを研究するうちに育ってきた愛着
トゲトゲしたウニはどんな生き物なんだろう?
「海で潜っていたらたまたまウニを見つけて、そういえばウニってどんな生き物なのかな?と興味を持ちました。気になったことは、全部自分で調べたい性格です!」
そこからウニの研究がスタート。お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究所が提供しているキットを用いてウニの受精卵を作り、成長を観察しています。
「受精卵が細胞分裂をして、幼生になり、幼生が赤ちゃんウニになっていきます。私が知っているウニの形からは想像できない姿に衝撃をうけました。それから、稚ウニが生まれたばかりの時は透明っぽいのに、だんだんと紫色に変化して、ウニらしくなっていくのもおもしろいです。タコの足みたいな管足を使ってよちよち歩く様子がかわいいです。どんどんウニに愛着がわいてきます。」
愛を感じる海を守るために、自分にできること
かれんさんにとっての海
「海は自分とのつながりを感じて、落ち着く場所です。特にサーフィンをする時は、海に”愛されているな”って気がします。波の音は心地よくて癒されるし、海は私にとって心のオアシスです。だから、海のためにできることは何でもしたいと思っています。」
そう語るかれんさんは多くの活動に取り組み始めています。海の変化で減り続けてしまっている藻場を再生するために、アマモを自宅で大切に育て、海に戻していくという再生活動。日本沿岸の魚の生物多様性を観測することを目的とした環境DNAボランティアの活動など多岐にわたっています。
「海を守るためには、まだ解明できていない海のことを知るために協力することも大切だと思いました。自分で採取したサンプルが、データベースにのるのはとても楽しみです!」
美しいサンゴを守るために
その中でも特に力を入れているのがサンゴの保全活動。海の魅力にたくさん触れてきたかれんさんだからこそ、海の問題もまたたくさん目にしています。サンゴは生態系保全の指標となっていますが、地球温暖化による海面上昇や海水温の上昇、海洋汚染によってサンゴ礁の白化は大きな問題となっているのです。
「サンゴにはもともと興味があったので、自分にも何かできないかなぁと考えました。考えているうちに自分の手で植え付けをして、元気なサンゴを増やしたい!と思うようになり、サンゴの植え付け活動に参加しました。」
サンゴはデリケートな生き物で気をつけて触らないとすぐに弱ってしまいます。だからこそ、丁寧に関わることが求められ、そこにもまた愛着が生まれてきます。
「どれくらい大きく育ってくれるかな?という気持ちで植え付けました。実は今度、自分の植えたサンゴがどうなっているのか直接確かめに行く予定なんです。」
海中のごみを拾うためにダイビングライセンスを取得
ライセンス取得は今後の活動への道のり
かれんさんは、2023年に沖縄でダイビングのライセンスを取得。それは、これから海と関わっていくための大切な手段でした。
「ラインセンス取得に挑戦した理由は3つあります。1つ目は、海の中をもっとじっくり自分の目で観察したかった。2つ目は、これからの海の変化を見届けていきたいと思った。3つ目は、体験ダイビングをしていた時、海の中にもごみが落ちていて、自分で拾いたいと思ったからです。そのためにも、まずはダイビングの経験を積みたいと思って、取得しました。」
目の前にある疑問や問題に対して、自分でアクションを起こすことを大切にしているかれんさん。ポジティブに、自分にできることを実践し続けています。
写真提供:井田かれんさん